sweet wolf




大宮の座っている場所は、ちょうど木陰になっていて涼しい。

木々の間を吹き抜ける風が、あたしの頭を優しく撫でた。

近くの木に鳴っている赤い木の実を鳥がついばんでいた。






「ここ、すごいな」




思わずこぼすと、




「屋上庭園」




大宮がそう言って、持っていたジュースに口を付ける。

あたしはそんな大宮をまじまじと見ていた。




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