sweet wolf
「冗談言ってるように見えるのかよ」
あたしの声は震えていた。
「机に牛乳かけられ、トイレで殴られ、お前にも馬鹿にされて」
怒りはどんどん溢れてくる。
まるで火山が噴火したかのように。
気付いたら、左手は蓮の胸ぐらを掴み、右手で拳を作りそれを振り上げていた。
「あんたは信じていた。
あたしを理解してくれると信じていた。
だけど……」
「おい……」
「がっかりだよ!!」
「おい、杏!!」