☆マリッジ☆リングス☆
「さゆりさん。男の子。おめでとうございます」

「先生・・・・」さゆりはやっと終えた出産に言葉が出ない。

さゆりの胸元に来た、その顔はまだこの世を知らぬ無垢な顔

母の匂いをかぎ、そして天を向いた。

「こっちよ」さゆりはそう呼びかけると

その子は、ジッとさゆりを見ているのか・・・またさゆりの胸元にピッタリと張り付いた。

「我が子だわ・・・」さゆりは喜びをかみしめた。

「おめでとう。さゆり」

「うん。ありがとう。あなた。」聡はうっすら涙を浮かべ、さゆりの髪を撫でた。

「さゆりさん。4000g近くありますよ。赤ちゃん。立派な子ですよ。」

不妊の末にこんなに立派な男の子が産まれて

さゆりはこの上なく、幸せで・・・

「これから頑張らなきゃ~」

この子のために生きるって誓いを胸に

その日は、体中の痛みを抱えながらも

やっと、深く眠りについた。
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