苺みるく
始業式から一週間経ったある日、高橋があたしに話し掛けてきた。


「ねぇ、葉月。消しゴム貸してくんない??」


別にムカツクよくな態度じゃなかったから、あたしは消しゴムを貸した。

使い終わると、ちゃんと礼を言って返してきた。

案外いい奴かもしれないなんて思った。

そんな思いがつい表に現れてしまい、あたしはいつの間にか笑っていた。


「何がおかしいんだよ!!」


「別に~。案外いい奴だなぁって思ったから。笑っ」


「俺は元々いい奴だし。」


「自分で言うなよ(笑)」


この会話がきっかけであたしたちは仲良くなり、授業中や昼休みも話すようになっていった。

名前も呼び捨てで呼び合っている。

消しゴムのおかげでこんなにも打ち解け合うことができたなんて、不思議に思う。

最新は大キライだった高橋。

今では、大スキな潤斗に変わっていた。

ってかあたし、いつの間にか潤斗の事好きになってんじゃん!!

どーしよー。

でも席が隣だから告白のチャンスはいくらでもある!!

神様がくれたチャンスなんだな。

これはきっと…

あたしはそう思った。

そう思うと同時に潤斗への想いも膨らんでゆく……

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