二重人格三重唱
 その頃節子は、三峰口駅に向かっていた。

トイレに置いてあったメモ帳を見たからだった。


《自分はもしかしたら殺されるかも知れない》


《きっと翼も何処かで殺されている》


《犯人は、さっきまで一緒にいた翔さん》


《何故なら、ご両親を殺したのは私と翼だから》




 駅前で節子は、泣きながら三峰神社行きのバスを待っていた。


中川の駅員が、陽子が三峰行きの電車に乗ったと教えてくれたから、節子は二人を追いかけれたのだった。


大輪バス停で知人が乗り込んできて、節子を見つけ隣に座った。


「 神社まで? そう言えば陽子ちゃん、旦那さんと一緒にロープウェイ入口方面に向かって」

そこまで聞いて節子に立ち上がった。


「すいませーん! 降ろして下さい」

節子は知人にお礼を言いながらバスを降りて大輪方面に走り出した


三峰口駅出発の乗り合いバスは、全線何処でも止まってくれる。


秩父湖。
御嶽山。
温泉施設など、様々な観光に対処するためだった。


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