シュガーメロディ~冷たいキミへ~


「航、たまたま練習室でピアノを弾いてたリオりんの演奏をきいたらしくてさ。……リオりんのピアノ、似てるんだって。航の母親の、昔の音に」


「……私の音が、水無月くんのお母さんのピアノに似てる……?」


その意味を理解しようと今野くんの言葉を反復すると、今野くんは頷いた。


「え、でも私のピアノが水無月くんのお母さんのピアノに似てたからって……」


どうして、冷たくされる理由になるの?


私がそう言葉を継ぐ前に、今野くんが口を開いた。


「航にとって、昔の母親は恐怖なんだよ」


「……え……?」


「ごめん、あとは本人に聞いて。さすがにこれ以上話したら航に殺される」


苦笑してそう言った今野くんは、これ以上自分が話して水無月くんに怒られることよりも、水無月くんのことを考えてそう言ったんだと思った。


きっと、これより先は水無月くんの想いの問題なんだ。



「……じゃあ、本当に梨音は何にも悪くなかったってこと?」


このみちゃんが、何か感情をこらえたような声で言った。


……堪えているのは、きっと、怒り。


いつだって人のために、私のために怒ってくれる優しい友達だから。


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