【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
ダメだ。この人完全アウトだ。
救いようのない大バカだと、トナカイは確実に気付いた。
夜になり人気が無くなった境内にはタクローとトナカイだけしか見当たらない。
軍手をはめた。
「あれは持って来たかな?」
タクローはトナカイに手を差し出した。
「はい」
トナカイはタクローに、クイックルンハンドルワイパーを手渡した。
「ぅむ。次」
まるで『メス』『はい』というお医者さんごっこかと思うことを始めた。
「強力両面テープです」
「よし」
クイックルンハンドルワイパーに両面テープを巻き付けた。
準備は出来た。
「やれ」
タクローの号令とともに、トナカイがまるで競走馬のように華麗にジャンプし、賽銭箱の上に飛び乗った。
「投下!」
トナカイは口でくわえたクイックルンを器用に賽銭箱の中に落とし入れた。
「いいか!コインに用事はねぇ。札だけに集中しろ」
「無理ですよ、なんか穴の開いたコインしか見当たりません」