世界で一番、ずるい恋。



陽果に呼ばれて慌てて笑顔を作り直す。


律の元へ恋那ちゃんが駆け寄ってきた。

そんなの何度も見た光景のはずなのに、何だか胸がズキズキと痛んだ。




「ねえ、茜ーー」

「よし、撮ろう撮ろう!」





陽果が私に何か言おうとしたけどクラスの子の声にかき消されてしまった。




「何?どうかした?」



カメラにピースを向けながら、小声で話しかける。




「……ううん、ただ矢野先生と撮らなくて良いのかなーって」




何だか煮え切らない返事に、首をかしげる。

本当に陽果が今さっき言おうとしたのは、このこと?


……先生とか。

何でだろう完全に頭からなかった。

でも後で会うから、撮るならその時にでもいいよね。





「……やっぱり言う」

「ん?陽果?」





私の腕を掴んで急に歩き始めた陽果。

そのまま生徒の少ない場所へと連れて行かれた。




「……茜はさ、このままで良いの?」






< 246 / 264 >

この作品をシェア

pagetop