Snow Love. ~大好きなキミへ~


その日の夜。


私は不思議な夢を見た。


───お母さんが、小さな部屋の隅で泣き崩れている。


何かに祈るように額の前で両手をあわせ、肩を上下に揺らしながら。


“どうしたのだろう”


そう思った時、お母さんの姿がふわっと消えた。


「……っ」


変わりに見えたのは、私の部屋の天井。


「……朝、か……」


時刻はもう朝の6時をまわっていた。


私の頭の片隅には、夢で見たお母さんの泣き崩れる姿がこびりついている。


………初めてだった。


お母さんの泣く姿を見たのは。


頭の奥で夢のことを考えながらも、私は朝食作りと学校の支度を進めた。


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