Snow Love. ~大好きなキミへ~


泣いたらいけないのに、泣いてしまった私。


自分が招いた罪なのに、“お母さんに会いたい“と願ってしまった私。


私はどこまで醜くダメな人間なのだろう。


………最低だ。私、最低だ。


「………っ」


けれど、一度口にしてしまった気持ちはもう自分では止められない。


「お母さん……っ、お母さん………っ」


何度も何度も。


狂ったように、お母さんの名前を呼んだ。


ここが公園だからとか、さっきまで感じていた寒さだとか、そんなのは全て忘れていた。


ただ、会いたかったの。


もう10年間も触れていないお母さんの温もりに、少しでもいいから優しく触れたかったの。


「……っく……ひっく………っ…」


漏れる嗚咽。とめどなく溢れる涙。


自分の意志に関係なく、小刻みに揺れる私の肩。


< 46 / 353 >

この作品をシェア

pagetop