【完】君ノート
「あんた…、沢田くんとどういう関係?
昨日、一緒に帰ってるのを見たって、部活してた子が言ってたんだけど」
キッとキツイ目で睨む表情に、ビクッと怯えてしまう。
ドクンと、胸が嫌な音をたてた。
この人、怖い…。
「付き合ってんの?」
私は首をふるふると横に振った。
「ふーん。じゃあ、沢田くんの周りを付きまとわないでくれる?」
あぁ…そっか。
沢田くんは、クラスの人気者だ。
だから、私みたいな奴が近づいちゃいけないんだ……。
でも、沢田くんは私に声をかけてくれた。
今まで喋ったこともないのに。
浮いてる私に、優しくしてくれた。
私はお礼を言いたい。
だから、沢田くんと関わらないっていうお願いは聞けないよ。