【完】君ノート




それから…


私はどこをどう歩いていたかは分からない。

視界でボヤける世界を見たくなかった。


だからうつむいて歩いた。




ただ、目の前にある道を歩いてるだけだった。


あてもなく、与えられた道を。







自分で自分の道を歩こうとしなかった。


空き教室へ向かおうとしなかったんだ。




優くんに会えるっていう、道には行かない。




私は強くならなきゃいけないから。






これを人は……強さという?



それとも、逃げるというの?





私には分からない。


でも、涙で滲んだ世界を、ただひたすらさまよっていた気がした。



< 199 / 433 >

この作品をシェア

pagetop