【完】君ノート
次の日。
クラスのあの3人の子からの視線が痛かった。
でも、それ以外は何もない。
普通の1日だった。
なのに…。
なんだか、色あせた世界にいるみたい。
今、自分がなにをしたらいいのか分からない。
こんなとき、いつも助けてくれたのは、優くんの声。
『花音っ!』
ただ、優くんが私の名前を呼ぶだけで良かった。
それだけで幸せだった。
……でも、もうダメだよ。
その声に甘えちゃダメ…。
さくら先輩は、優くんが好き。
さくら先輩は美人ですごく可愛い。
それに、優くんと楽しそうに喋ってたよね…。
優くんだって、きっと私なんかよりも、さくら先輩といる方が……。
分かってるけど、辛い。
その先の言葉を言うのが、辛い。