【完】君ノート
大丈夫。
もう一度戻ればいいだけ。
最初の、人と関わらなかった私に…
戻ればいいだけ。
そしたら、
沢田くんはまた、みんなに囲まれる。
人気者の彼を見ていられる。
クラスの女の子にも妬まれない。
さくら先輩も、笑ってられる。
優くんと楽しい話ができる。
優くんも……。
優くんも、すぐに私を忘れて…。
「……っ」
嫌だ……。
戻りたくない……。
私は、優くんと話していたい……。
どうやって、優くんを忘れるの?
私、もう知っちゃったもん。
優くんが教えてくれた世界。
優くんは、私に、話すことの楽しさをくれたの……。
優くんと話さないなんて、無理だよ……。