【完】君ノート



大丈夫。


もう一度戻ればいいだけ。



最初の、人と関わらなかった私に…

戻ればいいだけ。




そしたら、


沢田くんはまた、みんなに囲まれる。

人気者の彼を見ていられる。


クラスの女の子にも妬まれない。



さくら先輩も、笑ってられる。

優くんと楽しい話ができる。



優くんも……。

優くんも、すぐに私を忘れて…。




「……っ」



嫌だ……。


戻りたくない……。


私は、優くんと話していたい……。



どうやって、優くんを忘れるの?



私、もう知っちゃったもん。


優くんが教えてくれた世界。




優くんは、私に、話すことの楽しさをくれたの……。



優くんと話さないなんて、無理だよ……。



< 201 / 433 >

この作品をシェア

pagetop