【完】君ノート
「そんな……。嘘だっ……」
だって花音は言った。
声を出すことを諦めないって。
声が戻ったとき、
この声が戻って良かった。と、そう言っていた。
だから……そんなはず……。
…………!!!!
さっきの花音の絶望の眼差しを思い出す。
何もかもを失ったような、彼女の瞳。
…………花音は、声を捨てたのか?
俺たちの希望の未来を……諦めたのか?
『私、この声でみんなを笑顔にしたい!』
そう言った君は、幸せそうに笑っていた。
その君は今、どこにいる?