嗤うケダモノ

「ね? どー?
完璧じゃね?
写真は俺が撮るし、鍵も一晩預かるし。
第三者だから、問題ナイでショー?」


自信ありげに微笑んだ由仁が、その場にいる全員を見回した。


「どうする?
最後は、君が決めろ。」


ヨコタさんに視線を送った部長が、低い声で決断を促す。

数秒間の沈黙の後、俯いていたヨコタさんが顔を上げた。

まだ赤い目で部長を見て。
それから由仁を見て。

彼女は小さく、だがハッキリと口にした。


「よろしくお願いします。」


ハイ、作戦決行☆


「ねー、部屋、ドッカあるー?
部室はダメだヨー?
みんな出入りすっから。」


「じゃあ…
柔道場横の用具入れはどうでしょうか。
アソコなら、普段は誰も入らないし。」


首を傾げた由仁の問いに答えたのは、Aくんだ。

ソレを聞いた部長が手を打ち鳴らして頷く。


「おー、そりゃイイな。
じゃ、久我。
俺が案内するから」


「あのー…
俺、行きましょうか?」

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