嗤うケダモノ

ソコに立ち並ぶのは、背の高い向日葵たち。

分け入ってしまえば、小柄な日向は周囲からは見えない。

簡易式だケド、二人の世界の出来上がり。

由仁は身を屈め、夢中で向日葵を見上げる日向に不意打ちのキスをした。


「ふぇっ?! ひゃへっ?!
ななナニをぉうっ??!!///」


変わンないね。
そーゆーリアクション。

だけど、こーゆーと、君は…


「ヒナが悪い。
一緒にいるのに、俺を見てくンないしー。
昨日も全然ギューってできなかったしー。
寂しかったのは、俺だけー?」


途端に耳まで赤くして。

いつもは強気な瞳を揺らして。

躊躇いがちに俺の背中に腕を回し、そっと寄り添って…


「わ…
わわわたわた私…も…///」




あー…
可愛すぎて悶え死ねる。

君はほんの少しダケ変わった。

きっとコレが、二人で重ねた時間の成果ってヤツなンだろう。

いつか、もっと強く抱きしめてくれるカナ?

いつか、君の方からキスしてくれるカナ?

ずっと二人で時を過ごして、いつか…

< 354 / 498 >

この作品をシェア

pagetop