嗤うケダモノ

ナニ?
この、ガムシャラに突っ込んでくるカンジ。

進撃なの?
こんなガっリガリなのに、この人は巨人なの?
そして俺は壁なの?

駆逐しても許されマスカ───??!!

ほんとにヤっちゃおぅカナ?なんて、由仁が思案しはじめた時…


「清司郎さん!」


悲鳴のような声が庭園に響き、ショートボブの髪を揺らして女がまろび寄ってきた。

まさか…
巨人が増えた?!

なんてコトはなく。
女はガン見男の背中に抱きついて、由仁から引き離そうとした。

声を聞いて慌てて駆けつけたらしい仲居サンSもソレに加わり、ちょっとした綱引きが開始される。


「清司郎さん!落ち着いて!
その方は違うわ!男性よ!」


「お止め下さい、坊っちゃん!
旅館のお客様ですよ!」


「イヤだー!
また僕らを引き裂く気か?!」


「えぇっ?!
先輩が男の人とロミジュリ?!」


「ヒナ───?!
そんなワケないじゃ───ん?!」


「ハイ。冗談デス。」




ナニ?このカオス…

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