嗤うケダモノ

アイスコーヒーに浮かぶ氷が、カランと音を立てて揺れる。

ソレにチラリと映った自分の顔がやけに幸せそうに見えたコトに気づいた空狐は、グラスの中身を一気に呷った。


「確かにアヤツは幸せ者じゃ。
こんなに可愛いヒナちゃんが、傍におるンじゃからのぉ。」


「はっ?!//
ナニ?!急に?!//」


「ほい、ごちそーさん。
特に困ったコトがなくても、人生の節目にはぜひ儂を呼んどくれ。
具体的には…
二人に子供ができた時かの。」


「は…はぁぁぁぁぁ??!!///
なななナニナニナニ…///」


真っ赤になって吃る日向にグラスを返した空狐は、楽しそうに笑った。

と、思ったら…

次の瞬間には、もういない。

彼は行ってしまった。
耳に、黄門チックな笑い声を残して。

一人になった日向は、片方の手で火照った頬を押さえ、もう片方の手の中にある小さな印籠を見つめた。

子供ができた時、か…

二人の子供ができた時、か…


「…ナ?」


二人って… 先輩と私、だよネ?

つまり…

先輩と私がけけ結婚しちゃって…
そそその上赤ちゃんができたときゃきゃきゃあぁぁぁぁぁ??!!/////

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