嗤うケダモノ

(なんの話してンだろ、アレ。
『キュービ』ってナニ?
俺のコト?)


(『九尾』じゃないデスカ?
ほら、アキも『キツネ』とか言ってたし。)


(えー?
俺、まさかの人柱力だったってばよ?)


(おー。
その口癖、一気にソレっぽいっスよ、先輩。)


(でショー。
じゃ、アレは五影の一人ってコトにしとこーか。)


(アレは五影ってか…
さっき先輩から飛び出したように見えましたよ?)


(え? ほんとー?
守護霊だったり?
てか、守護霊がちっこい黄門様て…)


(ダメダメ、先輩。
文句言ったら、守護ってもらえなくなりマスよ!)


(ソレはマズいナー…
とりあえず、持ち上げとく?)


プチ黄門様に向き直った由仁は ペコリと頭を下げて…


「どーも、どーも。
お世話になってマス。
いやぁ、オシャレなボーシで」


「頭巾だわ。
五影でも守護霊でもないわ。
ソレ以前に、全部聞こえとるわっっっ!」


ハイ、怒られちゃいマシタ。

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