鍵の付いた羽根たちに。Ⅰ

In○○倉庫
********
"ある人"をさがし続け、
もう約何年過ぎただろう…

"ある人"を探すために、
何人と"此処"からスパイを送り込んだろう。

それでも、
"ある人"は見つからなくて、
見えなくて、
影も形も、
痕跡すらも残さないで…

そんなときに舞い降りるように、
届いたメール。


簡単なものだった。

"お前らの総長は頂いた。
返してほしくば、○□倉庫に来い"


たったそれだけのものだった。

けれど今の俺らには、
それだけで十分で、
それだけで喜ばしたかった。

一部を除いて。

そっか…

頂いた…ね……

フッフハハハ…

上等じゃん。
その喧嘩かってやんよ…


< 50 / 53 >

この作品をシェア

pagetop