ジャックランタンの未来に、ひとつの魔法を。


もう、だめ。

たえられない。帰りたい…。


「…と、いうわけだから…。あ、あの、バイバイ…っ!!」



「あ!おい、結!!」



気が付けば、わたしはそこから逃げ出していた。
いわゆる言い逃げ、ってやつ。

でも。耐えられなかったんだ。足が分離したように、勝手に動き出していた。




…でもね、真大。
わたしはちゃんとわかってるから大丈夫だよ。

優歩さんに勝てないことも、真大自身に勝てないことも、わたしが子どもだってことも。


「…っう………」


でも、ただ笑ってほしかった。
それだけじゃ、真大は笑ってくれないのかな?

また、子どもだって言われちゃうのかな?


「っ…、ひ…っく……」


でも、わたしの中に生まれたこの気持ちは、開くことなく終わってしまうんだろう。

それがどうしようもなく悔しくて、悲しくて。

真大の幸せを願ってるはずなのに、そこだけがわがままで、ほんとに自分が嫌になった。












< 49 / 70 >

この作品をシェア

pagetop