【完】白衣とお菓子といたずらと
「……ちょっ!なんで、怒ってるんですか?今のって、俺褒められる場面ですよね」


俺の表情の変化に気づいた池田が焦り出した。


感情が顔に思い切り出ていたらしい。


完全にバレているみたいだから、ここで隠す必要もないだろう。正直に話そうかな。


「いやー、面白くないなと思って。俺が知らない姿をお前らは知ってるんだなって思ってさ。まー、お前らにとってはただ迷惑なだけな俺の感情の話な」


自分でもこんなに嫉妬心を抱くなんて、思ってもみなかった。今までは一度たりとも、ここまでの感情を感じたことは無かったのにな。





「「「……」」」


ふと顔を上げて3人を見ると、驚いた顔をして、固まっていた。


大山なんて口まで開いている。


「どうした?」


不思議に思って尋ねると、キョロキョロと目を泳がせた3人は、お互いに目を合わせて何やらアイコンタクトを取り始めた。


そして、大山と香坂の視線が、池田に集中した。


その池田が困った顔をした後くるりと向きを変え、今度は俺と池田の目が合った。


「山下さんでも嫉妬するんですね。基本的に、優しすぎるくらい優しいから、その辺りも寛容なのかと思ってました」


俺だって自分で意外だと思ってるんだ、こいつらもそう感じて当然だよな。


「今まではこんな風に感じることなかったけどな。俺だって、ちゃんと嫉妬ぐらい感じるらしいよ。自分でも今知った」


ハハハと、苦笑しながら答えた。


本当に、俺の中にもこんな感情あったんだな。

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