【完】白衣とお菓子といたずらと
「それくらい山下さんも小川の事が大事だって事ですよ」

「うん、そうですよ」

「なんか、いいですね」


そうだよな……。自分で思っている以上に、俺は美沙のことが大事みたいだ。


こいつら3人と話した事で、気づかされた。


「……なんか、お前らと話してたら俺も気持ちがちゃんと固まったよ。ありがとうな」


「そんな、お礼言われるようなことはしていませんよ。なぁ、大山?」


俺のお礼の言葉に一番に反応したのは、池田だった。


「そうですよ。香坂もちゃんと納得したみたいですし」


「一度片付いた話題を持ち出すなよな。山下さん、俺が言うのもなんですけど、小川なら大丈夫ですよ。あいつは難攻不落って二つ名があるくらいですし、簡単に他の人に流れたりするような奴ではないですから」


そんな事、ちゃんと分かっている。付き合いは短いといっても、リハビリ中、一対一で関わって会話する事も多かったんだ。少し壁を作りやすい彼女の性格も何となく見えてきている。


「俺はありがたいと思ったんだから、ありがたくお礼言われとけよ。俺が退院したら、飲みに連れて行ってやるよ」


「マジですか?」


「楽しみにしてますから」


「待ってますからね」


俺の言った「飲み」という言葉に、今日一の反応が返ってきたことは、今は気づかなかったことにしよう。
こいつらの存在に感謝していることは確かだからな。

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