【完】白衣とお菓子といたずらと
「と……とりあえず、電話でもしてみたらどうですか?」


険しくなっていく俺の表情に3人が目に見えて焦り始めている。


「9時過ぎだし、今なら遅い時間でもないし調度いいんじゃないですか?」


……電話か。


そうだよな、こいつらに迷惑をかけないで、自分で解決しないとな。


浮気だ、浮気じゃないはまず俺らが話をしないと始まらない。


困り果てている3人に申し訳ないという気持ちが大きくなってきた。


「……あぁ、そうしてくる。お前らは気にせず、飲んでろ」


まぁ、気になって飲めないとは思うけど。それでも、これ以上巻き込むのは違うはずだ。


適当に投げやっていた携帯を拾うと、よいしょと立ち上がり、寝室へととぼとぼと向かった。


やけに足取りが重い。扉を開けるのも、やっとだった。


美沙はちゃんと電話に出てくれるのだろうか。


不安に押しつぶされそうになりながら、履歴から『小川美沙』の名前を探し震える指でタップした。
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