【完】白衣とお菓子といたずらと
―プルルル
――プルルル……プルルル……
『もしもし?』
もう少し呼び出すのかと思っていたけれど、予想より早く数コールで彼女の声が聞こえた。
……って、あれ?俺は何を話したかったんだ?
いざ彼女が電話に出ると、焦ってしまい頭が真っ白になった。
『もしもし?――礼央さん?』
「あっ、ごめん」
何を謝っているんだろうか。
心を落ち着かせるために、とりあえず彼女に聞こえないように静かに深呼吸をした。
『どうしました?』
特に焦った様子もなく、不思議そうに彼女が尋ねてくる。
この声で分かる。俺が1番不安になっている事はないみたいだ。
「いや……今香坂たちと飲んでるんだけど、池田が美沙を駅で見かけたって言ってたから……何も知らなかったからどこに居るのかなって……」
『……』
しどろもどろに話すと、彼女は何か考え込んでいるらしく、無言になってしまった。
俺が言いたい事は伝わったんだろうか。
『礼央さん……』
「ん?」
美沙のこの話し方……困っている。一緒に過ごす時間が長くなってくるうちに、はっきりと気持ちを言わない美沙の感情は何となく声とか話すときの間で分かるようになってきている。だから、分かる。彼女は困っている。
『黙っていてごめんなさい。今、大阪にいるの』
「へぇー、大阪……って、え?大阪!?」
思いがけない答えが返ってきた。
――プルルル……プルルル……
『もしもし?』
もう少し呼び出すのかと思っていたけれど、予想より早く数コールで彼女の声が聞こえた。
……って、あれ?俺は何を話したかったんだ?
いざ彼女が電話に出ると、焦ってしまい頭が真っ白になった。
『もしもし?――礼央さん?』
「あっ、ごめん」
何を謝っているんだろうか。
心を落ち着かせるために、とりあえず彼女に聞こえないように静かに深呼吸をした。
『どうしました?』
特に焦った様子もなく、不思議そうに彼女が尋ねてくる。
この声で分かる。俺が1番不安になっている事はないみたいだ。
「いや……今香坂たちと飲んでるんだけど、池田が美沙を駅で見かけたって言ってたから……何も知らなかったからどこに居るのかなって……」
『……』
しどろもどろに話すと、彼女は何か考え込んでいるらしく、無言になってしまった。
俺が言いたい事は伝わったんだろうか。
『礼央さん……』
「ん?」
美沙のこの話し方……困っている。一緒に過ごす時間が長くなってくるうちに、はっきりと気持ちを言わない美沙の感情は何となく声とか話すときの間で分かるようになってきている。だから、分かる。彼女は困っている。
『黙っていてごめんなさい。今、大阪にいるの』
「へぇー、大阪……って、え?大阪!?」
思いがけない答えが返ってきた。