【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「…分かった。まぁ、委員は一人~二人だしな。それよりも東條」
邪魔になっている良牙の横からひょこっと先生が顔を出す。
その顔は眉を寄せ、何とも納得のいかないような表情だった。
うん、先生の言いたい事は何となく分かります---
「コイツをどうやって手なずけた?」
「手なずけてないです」
うん、絶対に違う。
よく分からないけど、ただ屋上から一緒に教室に帰って来ただけで、偶々良牙が体育祭実行委員をやりたかっただけなんですよ…、きっと。
「イヤ、現に---まぁいい…。じゃぁ放課後な」
今、一瞬…、
良牙の身体から殺気が漂った。
それを感じたのか先生はビクリと体を強張らせ、席を立つとそそくさと教室から出て行ってしまった。