【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


会長ッ?!



私の方は物凄く驚いたのだけれど目の前を歩く会長は、私の事など気にしている様子を見せる事なくこちらに向かって歩いて来る。





ドクン---



徐々に近づくにつれ、私の心臓が大きな音をたて始める。



昨夜、『紅』である私を探すと言っていた会長とまさかこんな所で会うとは思っていなかったから心構えが全く出来ていないというのに…


どうして人気のない、この廊下で会うの?


まさかこんな恰好の私が『紅』だと、会長も思うはずがない。




そうは思うけど…


緊張から身体が強張ってしまう。




会長との距離まで 後、5メートル…、


ドクン、ドクン---





4メートル…、


ドクン、ドクン、ドクン---




心臓が、


口から飛び出そう---




思わずゴクンと喉を鳴らした。


< 75 / 779 >

この作品をシェア

pagetop