【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
会長のその一言だけで、私の足がピタリと止まる。
しまった…、
会長の事なんて気にする事なく、さっさと歩いてしまえばよかったのに…
そう後悔したところで、もう遅い。
足が何故か、その場に縫い留められたように動かなくなってしまったのだ。
「………」
「お前…」
その後、言葉を続ける事なく会長は黙り込む。
「………」
「………」
私はただ、会長の次の言葉を待つ他なかった。
会長は一体、何を言おうとしているのだろう?
沈黙が辺りを包む。