恋愛写真館~和服のカメラマンに恋をした~
ずいぶん走った所で、立ち止まる。
「大丈夫ですか?」
慶次郎が心配そうに息を切らした私を見た。
「はい」
そう言うと、黙ったまま、私は歩き出した。
怒りに震える私の後ろをついてくる慶次郎。
信じられない最低男だった。
お母さんのバカ。
どこが、最高の相手よ!!
人間として許せない。
「真智さん、落ち着いて」
右手首を掴まれた。
私は立ち止まり、慶次郎と目を合わせた。
まだ涙が止まっていなかった私を見て、慶次郎は眉を下げて笑った。
「どうして、泣くんです?真智さん、僕のためにありがとうございます」
「別に・・・・・・ 慶次郎さんのためじゃないです。ああいう人、許せないだけです」
手首を掴まれたままだった。
まじまじと慶次郎を見ると、スーツ姿が似合いすぎていてドキドキする。