私に舞い降りたいくつかの奇跡。
一つ目の、奇跡。
志望校と、お母さん。
私に舞い降りた一つ目の奇跡は、
中学3年の冬。
「なぁ平岡、頼むから志望校をかえてくれ。」
担任の先生に呼び出されて懇願されたのは、高校入試の願書を出す前の日のことだった。
「、、、嫌です。」
頑なに拒む私。
「あのなぁ、おま」
「先生のおっしゃりたいことは、誰よりも私がわかっています。けど、嫌なものは嫌なんです!失礼します!」
先生のことばを遮り、言い放って
くるっと回れ右。
先生の深い深いため息を背中にかんじながら、職員室から出た。