声が聴きたい
まだ、20分ほど体育の時間は残っていたが、さすがに終了となった。
**********
またしても無力な自分を実感。
そして、ふつふつと自分の中に沸き立つ想い。
『あぁ、俺、あのとき和希を自分で助けたかった。今日も、少しでも何か、力になりたかったんだ。』
そして、そこから導かれたもの……
俺は、自宅に戻ると与えてもらってたパソコンを開き調べ始めた。
『救命救急』『ドクターカー』『ドクターヘリ』……
そして、部屋にこもって二時間、自分が進むべき、いや、進みたい道が見えてきた。
救命士の資格を有した消防職員になり、医療系の専門家になりたい……
秀と和希に遅れをとり、モヤモヤとしていた自分の胸の内がスッと晴れた。
『夢』が、みえた……
携帯で秀にかける。
「どうした?」いつもと変わらない声。
「秀、お前が目指す医大ってどこ?」
「はぁ?」今度は裏返った声。
「だからっ、何大学かって聞いてんだよ」
「……東都大学…」