声が聴きたい


「二人にとってそれが、重しではなく、喜びなら、現時点でかまわないから、幸せなあなたを見せて上げたら?」


そう言われて和希は直ぐに秀に連絡した。

**********

そして、2月のバレンタインデー、一時帰宅を許可されたじいちゃんを迎えて、佐藤家松田家婚約式をした。


少し痩せてしまったじいちゃんは、ふんわりとした、白いワンピースドレスを着た和希を見て本当に嬉しそうに微笑んでた。


そして、じいちゃんは久しぶりの自室からばあちゃんの着物と、指輪を取ってきた。


「この着物はな、おばあちゃんが二十歳で嫁いで着たときの嫁入り道具の着物で、他のは手放したりしたんだが、これだけは、和希にやりたいといっててな、5年前に亡くなる前に託されたんだ。」


それは、薄桃色の地に、大輪の花があしらわれた美しい着物だった。


「仕立て直して成人式にでも、着てくれるか?」と言われて泣きそうな顔で頷き受けとる和希。


「秀太朗君……」次にじいちゃんが秀を呼んだ。


「これは……わたしの母が昔にしては洒落もので、イヤリングにしていた石から指輪を2つ作ったんだ。そして、お祖母さんに託した。」


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