声が聴きたい


真剣な顔の秀に優しく微笑みかけながら「1つは和希達の母親、美都子さんに。」そう言われた母さんは右手の指輪を見せてくれた。


そこには確かに同じブルーの石の指輪が。


「そして、1つは、和希に。秀太朗君から渡してあげてくれるかな。」


そっと、手のひらに受けとると、ゆっくり和希に近づく秀。


そして、右の薬指にはめると、俺達は一斉に拍手した。


キラキラと、じいちゃんとばあちゃんの想いが輝いてた。


「優、私が帰る前に部屋を片付けるのを手伝ってくれ」そう、言われたのは婚約式も終盤、みんなでお茶をしてるときだった。

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『片付けるのを手伝って』と言われてから体がキュウっと締め付けられてるような、イヤな感覚が続いていた。


4時過ぎ、婚約式をお開きにして俺とじいちゃんは1階のじいちゃんの部屋に。


「どうすりゃいい?」何だか手伝ってしまったら、じいちゃんの居なくなる日を待ってるみたいでイヤで、ブスッとしながら聞く。


そんな俺の態度に「ハハハ……分かりやすい奴だなぁ。なぁ、自分がいきなり明日、死んでしまったら、荷物や携帯やいろんなことがどうなるか、誰に見られるか、心配じゃないか?」




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