例えばここに君がいて
「あ、こんにちは」
「さ、サトルくん!」
「サユちゃん……」
可愛い。
制服の時も可愛いなって思っていたけど、私服は段違いに可愛い。
パステルカラー混じりのそのTシャツがすげー似合ってる。
「な、なんで。あれ、あの。やー、私今日適当なのに!」
「適当って……」
それで適当なら本気になった時どうなんだよ。
妄想かきたてるようなこと言わないでくれ、サユちゃん!
「あ、イッサとルイ来たー。あーやった! サトル兄ちゃん連れてきてくれたんだなー!」
奥から出てきたサイジが、一気に玄関までかけてくると俺の腕にしがみつく。
「さあ行こう、にーちゃん。俺の部屋に」
「ちょ、おい、サイジ。あ、サユちゃん、これうちの親からお土産」
「あ、ありがとう」
紙袋をなんとか渡せたと思うと、サイジの強烈な力で引っ張られる。
引きずられるようにリビングに入るとおじさんとおばさんが居て、俺を驚いたようにみるので、「こんにちは」と頭だけ下げて挨拶をする。