鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
(李依菜様………///)

未来はあの後、杏華を置いてすぐ白百合学園に向かっていた。

――……行く前。


――どうして!?
私も一緒に行くって言ったじゃない!――

ダメです。
杏華様がいくら言い張っても、私が杏華様を行かせません。

――未来のその有無を言わさせない笑顔……、可愛いけど私嫌いよ……っ。――

ごめんなさい……。
でも……、泣かないで?
私、杏華様の笑顔大好きなんです。
だから、……勇気ください。

――………っ、

“行ってらっしゃい”

未来。――

はいっ。

“行ってきます”

杏華様! ……――


未来はふふっと思いだし笑いし、深く深呼吸して生徒会室のドアを開ける。
静かに開けたため、誰も気付いてない。

「李依菜様?
いったい何をその人と約束したんですか?」

「みらっ………

――ビクッ

李依菜は未来の声のした方を振り向くと、未来の目を見て背筋が震えた。
あまりにも未来の目に光がなくて……
この世に絶望しているようで……
もう、何もかも諦めているというような冷ややかな目で……。
















< 45 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop