鎖。*奈落の底へ落としてあげる。*
そして未来は游を無視し、李依菜に問いかける。
「李依菜様のことだから、どうせ兄様との婚約破棄でも申し出たのでしょう?
アホな約束なぞしないでください。
傷付くのは自分だけだとでもお思いなのですか?
だから“游”に付け込まれるんです。
そろそろ学習なさってもいいのでは?」
「随分強気ね、未来。」
未来はその言葉を聞いて、くすっと笑った。
笑ったはずなのに、未来の大きな茶色い目は笑ってなくて……。
「あなたとは比べ物にならない、自分を犠牲に出来る大切な“何か”があると共に、私は自分自身でさえも無くしていますから。
そこらへんの人間と一緒にしないでください。
無くしてる物の方が遥かに多すぎて、自分の感覚にマヒして困ってるぐらいですから。
でも、そのおかげでそこらへんの人間よりかは大切な“何か”を思う存分守れる。
あなたにはそこまでの“何か”をもったことも、“全て”を捨てたこともないでしょう?
その時点であなたの“負け”。
李依菜様は兄様と別れないで。
これからは“私”を犠牲にしてください。」
「李依菜様のことだから、どうせ兄様との婚約破棄でも申し出たのでしょう?
アホな約束なぞしないでください。
傷付くのは自分だけだとでもお思いなのですか?
だから“游”に付け込まれるんです。
そろそろ学習なさってもいいのでは?」
「随分強気ね、未来。」
未来はその言葉を聞いて、くすっと笑った。
笑ったはずなのに、未来の大きな茶色い目は笑ってなくて……。
「あなたとは比べ物にならない、自分を犠牲に出来る大切な“何か”があると共に、私は自分自身でさえも無くしていますから。
そこらへんの人間と一緒にしないでください。
無くしてる物の方が遥かに多すぎて、自分の感覚にマヒして困ってるぐらいですから。
でも、そのおかげでそこらへんの人間よりかは大切な“何か”を思う存分守れる。
あなたにはそこまでの“何か”をもったことも、“全て”を捨てたこともないでしょう?
その時点であなたの“負け”。
李依菜様は兄様と別れないで。
これからは“私”を犠牲にしてください。」