意地悪なキミに、スキをあげる。




手を引っ張られて席を立たされて、朝陽さんとの距離が近くなった。




座ってたときは目線が合ってたけど、今は身長差があって

あたしはいつも上を見上げてる。




もう一度頭に乗った手は、するっと落ちて今度は頬で止まった。




トロンとした朝陽さんの顔が近づいてきて、

キスされた。




最初は軽いキスだったのに、だんだん深くなっていって

だけど急に離れた。




「…朝陽さん…?」

「うるさい」




ちっちゃい子を抱っこするように両脇に手を入れられて

机にストンと降ろされた。




「…しにくい」




低い声で呟いて。




机に手をついて、あたしの方へ身をぐっと乗り出した。




そしてまた、朝陽さんのキスが降ってきた。




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