♡Trick or kiss♡
…時計の秒針がたぶん、3周くらいして。
……なんだか猛烈に、顔が熱くなってきた。
委員長は何も言わない…ってことはたぶん、そういうことなんだろう。
「…あの…返事とかいらないから!
それで…これ、よかったら食べて!じゃ!!」
あたしは委員長にパンプキンタルトが入った紙袋を押し付けると、横をすり抜けて、ドアの方に向かおうとした。
だけど。
「…人に告白したら、返事を聞くのが礼儀だろう」
横をすり抜ける瞬間、つかまれた手首。
「え…」
「似合ってないな、黒髪」
委員長はあたしを見下ろして、フッと微笑んだ。
「なっ」
「でも、こっちの方がいい。
…俺の為に染めてくれたんだろ?」
そしてまるで壊れ物を扱うみたいに優しく、優しく、それを撫でる。
「…い、委員長の為っていうか、勝負服みたいなも…、っ」
不意に重なった唇に
言葉ごと飲み込まれた。