ニコイチ。
「その…。」
ゴメン、という言葉は、すでに喉の先まで来ている。なのに、そこから出てこない。
「どうしたんですか?」
俺は意を決して言った。
「あの、凪沙…、ゴ、ゴメ…。」
俺が言い終わらない内に、何か柔らかく、適度に温かい何かが俺の唇に触れた。俺は、事態を飲み込むのに5秒ほどかかった。俺の唇に触れたのは…。
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