大好きで大嫌い 《完》

*side kasumi

♡SIDE KASUMI♡



なんか唇に柔らかい感触が・・


それに続いて、愁ちゃんの声


「俺も、・・・・・だよ。霞。」


なんだろ?


聞き取れなかった。


でも、懐かしいな。


愁ちゃんの声。


低くて、でもどっか落ち着く。


いい夢だな・・


起きたくない。


そっと目を開けるとベッドの脇に愁ちゃんが座っている。


「ど、どーしたの?」


慌てて起き上がる。


「ん。おばさんがご飯だって。」


「あ、そっか。もうそんな時間か。」


やっぱり素っ気ない態度。


夢の中じゃあんなに優しかったのに。


下へ降りて、席に着く。


隣に座るのは愁ちゃん。


昔はよく家に行ってご飯ご馳走になったっけ。


でも中学になってから急に会うのを拒むようになった愁ちゃん。


あー、また気分が落ちて行く。


何と無く気まずい晩御飯は終わり二階に上がる。


はー、何か複雑だよ・・


それからちょっとして愁ちゃんと玲子おばさんは帰って行った。


またいつ会えるんだろ?


学校では見かけるけど無視されるから、合ってないようなもの。


次の日、学校でも私は上の空。


「篠崎さーん、B組の小林君が話しあるってー」


同じクラスの宮野さんに呼ばれる。


なんだろ?


「うん、ありがとう、今行く。」


私は机から立ち上がってドアの方へ行く。


そこに立っていたのは多分180cm位あるいわゆる爽やか系の小林くん。


「なんですか?」


「あ、ここじゃなんなんで、ちょっと場所移動しよっか?」


ニコッと笑う小林くん。


「? いいよ?」


言われるがままについて行った。

< 4 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop