FACT!〜交わる赤〜
「この人?生活安全課の……」
「そう。七原大和。」
バシッ!と、大森が、七原の背中を叩く。
七原は、大森の容赦なしの平手打ちに、顔を顰めながらも、男に頭を下げた。
「ど、どうも………」
「城野明、よろしく。」
七原はおそらく城野より年上なのだが、そんなこと全く気にしていないようだった。
「意外と狭いんですね…?」
「みんな現場行くから。あんまりオフィスで仕事せえへんもん。」
城野がコーヒーのシロップを探しながらのんびりと答える。
何処かつかみどころのないのんびりとしたマイペースな男で、何に対しても無気力な男だと七原は思った。
それなのに七原より顔は整っていて、爽やかな今時のイケメンだ。
「そうなんや……」
七原が消え入りそうな声で納得する。