FACT!〜交わる赤〜
ならば、ついさっきまでいた生活安全課はなんだったのだろうか。
少し可笑しくなって、口角が上がる。
「なに笑ってんねん。気色悪い。」
大森が七原に向かって吐き捨てるように言い放つ。
「あ、すいません…」
「ま、とにかくこれからのあんたの"相棒"に会ってもらいますか。」
大森が城野と顔を見合わせて、ニヤリと笑う。
「相棒…?同じ捜査一課の人ですか?」
「まぁまぁ。」
不安を隠しきれていない七原を見て、城野がさらに口角を上げる。
「じゃ。行ってくるわ。」
大森が城野に手を振る。
城野も、だらしなく手を振る。
「行くぞ。」
「え?えっ!?」
七原は、捜査一課のオフィスに、わずか10分ほどしかいなかった。