【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「おい12番!」



「うっ!?はい!」



頭の中を次の試合でいっぱいにしていたから、急に声をかけられてびくつく。



こいつは、さっき泰ちゃんと話していたチビ。



まあ、チビって言っても泰ちゃんと並べばって話で、俺より数センチはデカイけど。



「泰河だけだと思ってたけど、まさか水高にもう一人出来る一年生がおるとは知らんかった!俺、町屋幸助!肥後学一年生スタメンよろしく!」



「あ、小鳥遊、椿」



その場をパッと明るくさせるような無邪気な笑顔と自信に満ちた立ち振舞いが印象的なこいつは、確か、高森と共にフォワードやってる男。



「幸助は俺と同じ、有明北中出身なんよ」



後ろからのっそりこちらへ来た泰ちゃんがほんわか笑う。



「お互いインハイ頑張ろうな!まあ、1位通過は譲らんけど!」



「そりゃ困った。インハイは分かんないけど、今日の試合は勝たせてもらうぜ」



俺達と肥後学。仲の良いチーム同士その力量も、恐らくお互いある程度分かってるけど、負けないように戦術を組んでいかなきゃ。



練習でも、負けんのは悔しいしな。
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