【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
ハーフタイム。



行雲先輩はタオルを被り、肩を上下させながら無言でベンチに座っている。



とてもじゃないけど、いつものノリで話しかけたりは出来なくて、でも、何とかテンションを立て直さなきゃって、ぐるぐるする。



行雲先輩って何気に繊細だしなぁ…。



と思って見ていると、箱田先生が、中年のオバチャン特有の少しぽっちゃりの体(本人に言ったら殺される)を動かし、行雲先輩と目線を合わせるように、フロアに膝立ちした。



行雲先輩のシルクのようなキメ細やかな白い肌の肩に手を置く。



タオルを被っていた小顔が、箱田先生の視線と絡み合う。



「神楽木、退場は、怖いか?」



その声は穏やかで、バアちゃんが孫を諭すよう。
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