【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
後半戦、第3クォーター。
「椿、俺が高森ばマークすっけん、お前は町屋に付け」
「オッケー。やっぱ、強気な行雲先輩でなきゃ」
行雲先輩の勢いにかけてみようじゃないの。
「お、水高はトライアングルツーか!」
「しかも、ファウル3つの神楽木が高森!強気なプレイやんけ!」
デッカイ声が上から飛ぶ。
ちらりと見ると、2試合を終えた菊地のメンツだ。
「水高ー!ディフェンス一本!」
一番最初、俺に突っかかった菊地の瀬戸が、俺達に応援の言葉をかける。
「そのとーり!ディフェンス一本!」
相手方は尚も行雲先輩のファウルトラブルでの退場を狙うように、高森が強引なプレイをする。
「悪いが1on1では、椿の方が上じゃ!」
抜こうとする高森に、ファウルを恐れずディフェンスにかかった行雲先輩。
「ナイススティール!」
リーチの長い行雲先輩が捕らえ、弾いたボールを追いかける俺と町屋。
こちらも身長が低いぶん、動きも俊敏。
「受け取れピカ先輩!」
体を前方に飛ばしボールを思い切り飛ばすと、それをしっかり受けとる、うちの点取り隊長。
「ナイスガッツ!」
ピカ先輩は俺に労いの言葉を投げ掛けて、そのままゴールへ一直線。