【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
全体的なテクニカルで言えば、うちの方が上だ。



でも、チームワーク、戦術なんかの細かな箇所は、明らかに慧心が上。



高校生にして完璧に、出来上がっているチームだ。



ここまで出来るのはきっと、あの一年、柏原のガードとしての技量の高さからだろう。



……これは、俺がいかに、皆を使えるかに、勝敗がかかっている。



「っし!オフェンス、バンバンいれてこ!」



大丈夫だ、大丈夫。



俺だって、小さい時からこのボールに触り続けてるんだ。自信を持て。



「………穴、広げていくよー」



自分を奮い立たせていた時、後ろからの声に、そっと、顔を動かす。



柏原が、手で望遠鏡を作り、右目で覗いているのだ。



その輪の先には、ピカ先輩と、秀吉キャプテン。



何だか、とてつもなく、嫌な予感で口の中が苦くなった。
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