【完】シューティング★スター～バスケ、青春、熱い夏～

第３クォーターを取って取られての繰り返しで２点差で進め、最終の第４クォーター。



「一本！！絶対負けてたまるか！」



「こっちだって、負けられん！」



勢いの止まらない御劔に、行雲先輩が有ちん先輩とスイッチし、マッチアップする。



有ちん先輩とは違い手足のリーチが長い行雲先輩のディフェンスにより、荒商メンバーはパスが回せない。



「御劔だけやと思うなよっ！」



荒商ガードがセンターに回し、インサイドを切り込む。



「うらァ！！」



しかしゴール下の番人泰ちゃんが、ゴールがボールに侵入することを許さない。



バッチィィン！！


その大きな掌に弾かれたボールは、コートの外へ飛んでいく。



「まだボールは出とらん！」



それを必死に追いかけ、有ちん先輩が飛び込み、荒商の選手の膝にわざとぶつけて、再び外に見送る。



「ふう、これで最後に触れたのはそっち。ボールはうちんやね」



「くそっ…！(何なんだ、5番、フルタイムで出場しよるくせに、息も殆ど上がっとらん)」



ただ一人、このコートの中で涼しい顔をした有ちん先輩がスローインを図る。