【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
そんなこんなで、毎日の部活が騒がしく、まるで動物園の人気動物になった気分で進行していく。



「ダァァ!キャーキャーせからしいね女子!もう嫌や!」



女子よりバスケの行雲先輩は、今までより声が通りにくくなったこの空間に苛々し、長い脚をポーンとフロアに投げて壁際に座る。



厳格な秀吉キャプテンや、自由人ピカ先輩は我関せずって感じなんだけど、他の部員は集中力散漫状態。



俺も、行雲先輩にレイアップ強化にディフェンスについてもらい抜く度に不満な声をあげられ、また、秀吉キャプテンのシュート練に付き合いブロックすると、また不満な声をあげられ。



……もう、正直苛々も抑えらんない感じ。



過度なファンの中には、休憩中美形二人に差し入れにコートに入る子もいて、遂に、普段温厚な由貴先輩がキレてしまった。



「応援すんのは良かけど、コートに踏み込まんでくれん?遊びやなかとよ!」



キレてもしょうがない状況だったし、これで少しは現状がマシになるかな、なんて思って見てたんだけど…。




女子達は怯むどころか、逆ギレを始めたのだ。



「何なん!あんた、マネージャーやけんてみやがんな!」



「そうや!自分が独り占めしたいだけやろ!ふざくんなし!」



バシッ!



そして一人の女子が、あろうことか由貴先輩に手を出してしまったのだ。



これが、木曜日の出来事。



部活中の出来事だ、学校側に隠すことが出来ず、問題になってしまう。



金曜日は元々外練で、体力作りだったから休みにならなかったものの、土曜日は休みになり、今後の話し合いが行われることになった。
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