【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
そして、再び問題は勃発。



恋愛初心者の行雲先輩が気が利く訳もなく、普通に自分だけすったすたと歩いて行っている。



当然小柄な女子が追い付ける訳もなく、小走りに着いて行っているが、差は開くばかり。



その様子を見兼ねた秀吉キャプテンは、ポケットからiPhoneを取り出した。



『神楽木、まさかとは思うが、女子を置いて一人で歩いてはいないだろうな?手のひとつでも握らないと見失うぞ。大事なのは彼女のスピードに合わせることだ』



…もう、グッジョブ過ぎるアドバイスにグループラインを見る俺とピカ先輩、感動モンですわ。



それは行雲先輩も同じで、既読になった次の瞬間立ち止まり、女子の手を取る。



「おー、これは記録しとかなんね」



それをすかさず写メり、有ちん先輩と泰ちゃんに送るピカ先輩、スバラスィお仕事ですな。



「あー、俺も恋の悩みに直面したら秀吉キャプテンに相談しよ」



「小鳥遊は要領よくこなしそうだがな」



秀吉キャプテン程には出来ないっしょ、なんて思いながら尾行しているうちに、目的地の図書館へ到着。



7月の日射しに包まれて汗だくの俺達にとっては、涼しい図書館は楽園だろう。
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